法人税申告 税務調査のポイント【売上が少ない】

 税理士の鈴木泰浩です。

 売上計上については、法人税の税務調査で必ずチェックされる事項の一つです。

 今回は、税務調査が行われることを想定して、どのような点に注意して決算や申告を行えばよいかをお伝えします。

売上計上時期・売上計上漏れ

 決算月での売上計上が漏れていないかが確認されます。

 決算月の翌月、翌々月の出荷伝票・請求書を閲覧して、売上計上時期が正しいかどうか、売上計上漏れがないかを確認しましょう。

値引・返品

 売上値引・返品が少額であれば特段問題になりませんが、金額が大きく値引・返品が決算日直前で行われていると注意が必要です。

 値引・返品が生じる理由や時期を明確にしておく必要があります。

割戻(リベート)

 売上割戻(リベート)は、算定基準が明確でないと交際費として損金不算入になる恐れがあります。

 算定基準が販売価額を基礎として定められており、その基準を相手方に明示していれば、原則として、販売日の属する事業年度において損金として認められます。

 割戻に関する契約書を相手方と締結しておくとよいでしょう。

従業員販売

 会社が従業員に対して値引販売を行う場合は、通常価額との差額分だけ従業員は利益を得ていることになります。したがって、値引分が給与として課税されますが、以下の3つの要件を満たしている場合は給与として課税されないことになります。

  1. 販売価額が会社の仕入価額以上で、販売価額の約70%以上である場合
  2. 値引率が従業員に対して一律に適用されているか、従業員としての地位・勤続年数など合理的な格差内で適用されている場合
  3. 販売数量が、一般消費者の通常消費する程度である場合

 従業員販売規程を設けて、従業員に販売を行う場合には、購入申込書を作成しておくとよいでしょう。

売上のごまかしはやめましょう

 今回は、法人税申告での税務調査の確認項目についてお伝えしました。

 売上は、売掛金、棚卸資産とも関係するので、決算の際には、売掛金勘定や棚卸資産勘定に異常がないかを確認する必要があります。

 なお、利益が予想以上に出るからといって、売上を意図的に操作するようなこと(ごまかし)は止めましょう。

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